胆嚢癌・症状・痛み・病気

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胆嚢癌・症状/痛みと病気



     
胆嚢癌/上腹部深部/上腹部/痛みと病気


       胆嚢癌は早期発見の難しい癌です。それは胆嚢には癌の進展を妨げる粘膜筋板という組織が無く、筋層が

       薄いため癌が早期のうちに 肝臓、 胆管、リンパ節に広がって症状が出た時は進行していることが多いため

       です。但し、近年では胆嚢癌は画像診断技術の向上により、 比較的早期の段階での発見も増えております

       し、 腹腔鏡下手術の技術進歩により、胆嚢炎合併胆石症例でも、 腹腔鏡下胆嚢摘出術を行う事が可能で、

       これに伴って術後に癌が発見されるケースも増えております(術前良性腫瘍の診断で、切除される胆嚢に癌

       が合併する頻度は1%程度といわれております)。胆嚢癌は女性に多い癌で、好発年齢は50〜60歳代です。

       切除困難な進行癌として発見される事が多いので予後は一般的に不良の癌です。(前記の様なケースで、術

       前診断により、癌が粘膜内に留まっている様な早期癌の場合には、予後は良好です。)胆嚢は壁が薄いため、

       癌が進行して壁を突き破ると、肝臓やリンパ節を通じて他臓器に転移してしまいます。そのため、胆嚢の摘出

       は腹腔鏡下で行われますが、胆嚢癌の場合は、胆嚢を取り出す際に、胆汁が腹腔内に漏れると転移する可

       能性があるため、開腹手術が行われます。胆嚢は摘出しても身体に大きな影響は無いと考えられており、入

       院期間も通常1週間程度です。

60歳以上の女性に多い癌で男性の2〜3

倍の発生率です。胆石合併頻度が高く(7

0%以上)膵・胆管合流異常症の人に高率

に発生します。



     
§1  胆嚢癌(痛み・病気)の症状/胆嚢癌/上腹部深部/上腹部/痛みと病気


       胆嚢癌は早期には自覚症状がありません。気が付く端緒は黄疸です。白目、手のひら、口の中の粘膜、皮

       膚などが黄色になる
ので気が付きますが、 胆嚢癌が進行しますと黄疸が現れますが、これは胆嚢癌が進

       行したために胆管に癌が浸潤したためで、 この段階になりますと、
右上腹部の痛み、体重減少、しこりなど

       が感じられる
ことがあります。[ 胆管癌で閉塞性黄疸を起こした場合;胆管を塞いでしまう閉塞性黄疸を発症

       すると、更に尿は濃褐色となり、胆汁が十二指腸に排出されなくなるため
便も灰白色となります。更に、閉塞

       性黄疸は
発熱(胆汁に細菌が感染)、悪寒を伴ったりします。閉塞性黄疸が長引けば、細菌が血液中に入り

       敗血症や時にショック症状
(心肺機能低下など生命に危険を生じる状態もある)に陥り、緊急を要する事態と

       なります。]重複になりますが、胆嚢癌は胆石を合併する頻度が高く(合併率は50〜70%/別資料では70%

       以上といわれています。)膵、胆管合流異常(特に胆管拡張のないもの)に高率に合併する事も知られており

       ます。



       比較的高齢者に多いのですが、胆石の種類としてはビリルビン胆石よりコレステロール胆石の人に多く発生す

       るため関連があるのではないかと考えられております。また、先天的に膵管と胆管の合流部に異常のある人が

       おり、この様な方は胆道癌の発生率が高いことも分かっております。この合流異常が膵液を胆管に逆流させて

       しまいます。結果、胆管の粘膜が侵され、癌になりやすいと考えられております





       * 関連検査値・基準値   


       



* 膵・胆管合流異常


胆嚢癌の危険因子として膵・胆管合流異常

という先天的に膵・胆道系の発生異常があ

り、括約筋(オッディ)の影響の及ばない位

置で膵管胆道が合流することにより膵液と

胆汁の相互逆流が起こり、その結果、胆道

や膵臓に様々な病態をもたらします。胆嚢

癌の場合は胆嚢結石があれば胆嚢癌の発

生頻度が高くなると考えられておりますの

で、定期的な検査を経過観察を確実に実施

する事が、極めて大切になります。胆石や胆嚢壁の状態を検査し、胆嚢壁が厚くなったり、異常な隆起がある

様なら適切な処置(外科的に胆嚢切除など)を早急にする事が大切です。

* 「膵・胆管合流異常とは、解剖学的に膵管と胆管が十二指腸壁外で合流する先天性の奇形をいう」と定義さ

れますが、 その病態は機能的には十二指腸乳頭部括約筋(オッディ括約筋)の作用が合流部に及ばない故

に、膵液と胆汁の逆流が起こり、胆道ないし、膵臓に色々な病態を引き起こすものです。 合流形式に付いて

は様々な系統的な分類が試みられておりますが、その合流形式は複雑であり、一本化されていない。




       



     
§2  胆嚢癌とは/胆嚢癌/上腹部深部/上腹部/痛みと病気


       胆嚢癌は胆管や隣接する肝臓に浸潤し、 進行すれば膵臓や十二指腸、周りの太い血管などにも広がって

       ゆきます。胆汁を作り出す肝臓の内部には、多数の細い血管が豊富に巡っていますが、胆汁はこれらの胆

       管内を流れ、 途中にある胆嚢に蓄えられ、この胆汁が十二指腸に流れ込みます。腫瘍が胆道を閉塞、狭

       窄して胆汁が排出されなければ、黄疸が発現します。 これらの腫瘍が胆嚢の壁を突き破る様なことになれ

       ば、癌細胞が腹腔に広がる播種性転移も起こします。 腫瘍が血流に乗って広がれば血行性転移を起こしま

       す。 腹膜播腫していたり肝臓に血行性の転移が始まっている、癌の浸潤範囲が広いなどの時は手術適応は

       無く、 化学療法や放射線治療が中心の療法となります。胆嚢癌は浸潤し易く、化学療法や放射線療法の効

       果が高くない、治療の難しい癌です。ただ化学療法をする事により、QOLが向上するという報告があります。

       全身状態がよければ延命効果も認められる例も有るようです。






       胆嚢の壁は薄いため、癌が進行して壁を突き破る事があり、その場合には肝臓やリンパ管を通じて他臓器

       転移を来たします。胆嚢癌は早期の段階での症状は希薄な癌のため、画像診断技術が向上したとはいえ、

       進行した状態で発見される事が大半です。 胆嚢癌は全体の3/4は切除による処置ですが、5年生存率は

       40%程度と予後不良の癌です。胆嚢は壁が薄いため、癌が進行して壁を突き破ると、肝臓やリンパ節を

       通じて他臓器に転移してしまいます。 そのため、胆嚢の摘出は腹腔鏡下で行われますが、胆嚢癌の場合

       は、胆嚢を取り出す際に、胆汁が腹腔内に漏れると転移する可能性があるため、開腹手術が行われます。

       胆嚢は摘出しても身体に大きな影響は無いと考えられており、入院期間も通常1週間程度です。



       胆嚢癌の術後生存率は1年生存率25% 3年生存率12% 5年生存率10%程度と厳しい癌です。(別資

       によりますと、全体の切除率は75%で、5年生存率は40%とありました。) 早期癌で、脈管侵襲、神経

       浸潤、リンパ節転移が非常に少ない場合は、5年生存率ほぼ100%とあります。





       * 「胆石を持っていると胆嚢癌が出来るので、直ぐ手術をしなければならないと考える医者や患者がいるが、

       長期間観察している患者から、胆嚢癌が生じる事は殆ど無い」と報告する資料がある一方で、「胆嚢癌の人

       には胆石を持っている人が多い」とする資料もあります。前者と後者の内容を考えますと、胆石を持っている

       イコール胆嚢癌に必ず進展するという事ではなく、胆石を持っている人は胆嚢癌になる確率は統計的に有為

       であると考える事が妥当なのかも知れません。また、膵・胆管合流異常のある人(胆管拡張の無い場合の方

       が特に多い)は胆嚢癌が発生し易いとしています。














     
§3  胆嚢癌の治療/胆嚢癌/上腹部深部/上腹部/痛みと病気


       胆嚢癌では早期に肝臓、胆管、リンパ節に進展するので内視鏡的な手術よりも開腹手術の方がセーフティで

       すが、 胆嚢癌の場合は良性の胆嚢ポリープとの区別が難しいために、胆道ファイバースコープでポリープを

       内視鏡的に切除し取り残しがあれば、 開腹手術することも選択肢としてはあるでしょう。基本的な術式は胆嚢

       ・胆管及び、 肝床部切除+リンパ節郭清(肝十二指腸間膜内と膵頭部周囲)です。早期癌が明確に特定され

       れば、胆摘術(全層)+リンパ節郭清で充分とされます。進行癌では、症例ごとに広範な肝切除・膵頭十二指

       腸切除などが考えられます。 切除不能であればバイパス手術などが選択されます。抗癌剤はゲムシタビン

       単独か、ゲムシタビンを含む抗癌剤を用いる事が多いようです。




       * 多剤併用療法など/ゲムシタビン+カペシタビン、フルオロウラシル+マイトマイシン+ドキソルビシン、

       ゲムシタビン、ゲムシタビン+オキサリプラチン






     
§4  胆嚢癌と胆石/胆道腫瘍/上腹部深部/上腹部/痛みと病気


       胆嚢癌で胆石を併発している人は50〜70%といわれ、比較的高齢者に多いのですが、結石の種類として

       はビリルビン結石よりコレステロール結石の人に多く発生するため関連があるのではないかと考えられてお

       ります。




       コレステロール胆石(成分分析でコレステロール含有量が70%以上がコレステロール胆石)食生活の変化

       により、患者さんの胆汁はコレステロールが過飽和状態になり、この過飽和胆から、コレステロールが胆嚢

       内で析出し、核の形成、肉眼的胆石への成長を経て、形成される事になります。


* 純コレステロール胆石;白色〜黄白色、1cm前後の大きさのもので、コレステロールが主成分


* 混成石;純コレステロール胆石の周囲にビリルビンが固まった茶褐色の外観、中は白い


* 混合石;コレステロールにビリルビンやカルシウムが混ざった黄白色〜茶褐色までの様々な色合いを持つ




       色素胆石


       
* ビリルビンカルシウム胆石;胆汁中のビリルビンとカルシウムが結合してできる。1cm以内の大きさで、茶褐

       色。 胆道感染(主に大腸菌)が存在すると、細菌性β-グルクロニダーゼにより、胆汁中のビリルビンクロニド

       が加水分解され、遊離型ビリルビンとなり、これにカルシウムが結合する事により、ビリルビンカルシウムが析

       出します。


       
* 黒色石;胆汁中のビリルビンと蛋白質が結合してできる。砂状の小さな黒色のもの。近年、非常に増加して

       いる。溶血性貧血、肝硬変、心臓弁置換術語の患者によく見られます。









        








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